今回は読者のNさん(ベーシスト)
からいただいた、
【耳コピ派と譜面派の違いは、何でしょうか?】
という質問についてお話します。
Nさんは、練習は耳コピで行い、
曲を聴き込んでベースラインを
歌えるようになったら楽器に移行する。
という方法をとっているそうです。
素晴らしいですね!
そのNさんは最近、
譜面派の方と音合わせの機会があり、
理論を主張する彼と、
感覚で演ってきた自分が
全く馴染まなかった!
譜面や音楽理論も習いたくなりましたが、
何から習うのかわかりません。
というご相談です。
僕なりの回答をお答えします。
耳コピ派と譜面派の違いは
”こだわりの方向の違い”
しかない!
こう言ってしまうと、
ちょっと気を悪くしてしまう人も
いるかもしれませんが、
お互いプライドが高くて
意見がぶつかりあってしまった。
ということですね。
しかし、
Nさんはその後自分から歩み寄り、
譜面や音楽理論を学びたい!
という気持ちを持たれたことは
本当に素晴らしいこと!
ここはハッキリと
もっと今後の音楽ライフを
楽しんでもらうためにも、
本質的な部分でお話します!
まずこの問題にとって問題なのは
『耳コピ派』であるNさんと
『譜面派』である人との
”意見が合わなかった”
ということですよね。
ここで起きている問題は
『耳コピ』が良いのか
『譜面』が良いのか
という答えを求める事ではなく、
”お互いがお互いを受け入れられない”
という問題です。
これはハッキリ言うと、
『耳コピ派』とか『譜面派』
というものは関係ありません。
”お互いを受け入れようとする姿勢”
があれば、
多少の意見の違いなど問題には
ならないんです。
さらに言うと、
どんなに感覚派であっても、
どんなに理論はであっても、
コミュニケーション能力が高ければ
お互いに分かり合える!
それどころか、
自分には無い世界を知っている相手を
尊敬してお互いに学び合うことが
できてしまいます!
この
”コミュニケーション能力”
というのは、
実は演奏にも影響します。
まず最初の段階で
「この人は理論派だから」という
『先入観』をもってしまうと、
次からその人が話す言葉の前に
「この人は理論派だから」
という前置きが付いてしまいます。
そうなると、
自分にとって嫌なイメージを
常に持ったままその人と接するように
なってしまい、
何を言われても
「理論派の人の言う事は難しいから」
という前提で話すようになります。
こうなってしまうと、
一緒に演奏した時のちょっとした
音での意思疎通にすら影響を
及ぼしてしまうんです。
音楽は言葉と似ています。
セッションは会話と同じです。
ぜひ、
”お互いを受け入れようとする姿勢”
を持って会話しましょう。
話が逸れたので戻します。
『感覚派』と呼ばれる人、
または自分で『感覚派』だと
思っている人には、
共通した”認識の仕方”があります。
音楽理論を理解するのも
この”認識の仕方”をわかっていないと
理解することができません。
一般的に売ってあるような理論書や
教則本などをそのまま読むだけでは
なかなか理解することは難しいでしょう。
その理由は、
『感覚派』の人には
「なぜそうなるのか?」
という”答え”(結果ともいう)を
先に知らないとやる気が出ない
という人がすごく多いんです。
『理論派』と呼ばれる人には
”仕組みを理解すれば全体像が見える”
という認識があり、
さらに、
『仕組みを理解するためには
覚えなければならない事がある』
ということを理解しているため、
「まずコレとコレを覚えてください」
といった、
”ある意味答えの見えない努力(労力)”
に対して免疫が備わっているんです。
対する『感覚派』の人たちは
「まずはコレとコレを覚えてください」
と言われても、
「何で役に立つかどうかもわからない
ような事を覚えなければいけないの?」
という”主観”が先に立ってしまい、
『答えを導き出すための近道』を
あえて避けて進むような事をやって
しまいがちです。
そこでNさんにオススメするのは、
いきなり理論書や教則本を買って
勉強するのではなく、
自分の好きな曲を音楽的に分析する
という方法です。
「どういうこと?」
と思われるかもしれませんが、
”音楽的に分析する”とは、
・コードを調べる
・コード進行のパターンを割り出す
・コードの音(コードトーン)を調べる
・メロディを譜面に書き出す
・ベース音とメロディの度数を調べる
・コードトーンとメロディの関係を調べる
・キーを割り出す
・キーチェンジをしてみる
など、
やろうと思えばいくらでも
分析することが可能です。
ここで重要なのは
『好きな曲でやる』ということです!
もともと『感覚派』な人は
”自分が好きか嫌いか”
でやるかやらないかを判断しているので、
『どうやったら自分がやる気になるのか?』
という部分にフォーカスしないと
うまくいきません。
”曲を音楽的に分析する”
ということを進めていくと、
自然と『音楽理論』の大事さに
気付くことになるでしょう。
さて今回は
【耳コピ派と譜面派の違いは何?】
というテーマをもとに話を進めてきましたが、
いかがでしたか?
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それではみなさん
楽しい音楽ライフを!